■人事考課・人事評価
人事制度で必ず押さえておきたいツボ
私は、基本的に「社員育成型の人事制度構築」を目指しております。
会社を活性化させるのは、何よりもマンパワーだと考えているからです。
人事制度の構築・運用に際し、必ず押さえて頂きたいツボがあります。
(必ずぶつかる壁でもあります。)
そのツボの1つに、社員を評価するルールや基準の確立が挙げられます。
「人事考課・人事評価」と呼ばれるものです。
ここで、ちょっと私の幼い頃の記憶を書いてみたいと思います。
小学生の頃、自宅の洗面台や風呂場にあった「赤い蛇口」です。
要するに「お湯」が出る方の蛇口です。
私の家の「赤い蛇口」からは、お湯が出ませんでした。
お湯が出ない事に対し、非常に理不尽さを感じておりました。これについて、親に何か言ったりはせず、ウチの赤い蛇口からは湯が出ないんだと勝手に結論付けました。
何となく贅沢だからだろうと―これって子供なりの諦めです。
でも不満を抱えてしまったままで。結論から言いますと、我が家には、そこらじゅうの蛇口からお湯が出る必要がなかったのです。
節約という意味も勿論ですが。 風呂が沸いて、台所の瞬間湯沸し器があれば問題なかったのです。
でも、きちんと説明を受けてないので、私には赤い蛇口が目についてしまうわけです。
さて、当時の私は我が家の赤い蛇口を諦めた訳ですが、一方で、これを会社での事で考えてみましょう。
乱暴ですが、仮に「赤い蛇口」を「昇給」としましょうか。うちの会社では、昇給がない。
理由は聞けないし、昇給する場合の基準も公開されていない。
では、どうするか? 諦めて働くか、他社へ行こうかという気持ちになるでしょう。
積極的に頑張ろう!という気持ちにはなれませんよね。
でも、社内コミュニケーションが密に出来て、昇給の基準が分ればどうでしょうか?
昇給の基準が公開されて、納得出来るものであれば、良い方向に意識は変わりますよね?
会社としても無闇やたらに昇給は出来ませんし、限られた原資ですから、必要な人には昇給したいと思うわけです。我が家で、お風呂のお湯が沸かないと困りますし、瞬間湯沸し器からお湯が出ないのが困るように。
社員からすると、世の中に昇給という現実があるのは知っています。
昇給は当然だと考えている人も多いはずです。
「昇給」が気になりながら、常に不満を抱えて働いている事になります。
赤い蛇口は、お湯が出る蛇口なのに、何故ウチのはお湯が出ないんだ!と同じです。
ちょっと乱暴な例でしたが、我が社では、
どういった基準やルールで社員を評価するのか?
また、誰が評価を行っても同じ評価になるのか?
その評価がどのように昇給に反映されるのか?
大切ですよね。
我が社独自の「評価基準」や「評価するルール」を作る事と上司によっての「評価のバラツキをなくす」
そのための全社上げての擦り合わせが人事制度の構築・運用で外せない「ツボ」なのです。